骨増生テクニック&骨補填材料国内トレンド
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国内認可でインプラント適応と適応外の骨補填材料の現状とは? 岩野義弘3インプラント適応外骨補填材料1)ウシ骨由来HABio-Oss 2011年12月6日、歯科領域にて初めて承認された異種移植材。ウシ海綿骨および皮質骨からなり、ヒトの骨と類似した骨梁構造と多孔性を維持しつつ、有機成分を除去、無菌化して提供される。気孔率60%、圧縮強さ0.9MPaであり、顆粒径250~1000μmのBio-Oss Sと、顆粒径1000~2000μmのBio-Oss Lとがある。1000以上の論文により支持される、世界でもっとも使用される骨補填材料である。 Bio-Ossは、サイナスフロアエレベーション、ラテラルリッジオグメンテーション、リッジプリザベーションなどさまざまな骨増生において、単独もしくは自家骨を含む他の移植材と併用して、もっとも高い頻度で用いられている骨移植材料である17~19。非吸収性材料であるため、特に前歯部におけるラテラルリッジオグメンテーション等吸収してほしくない環境において、もっとも有利に働くと考えられる。2)β-リン酸三カルシウム(1)オスフェリオンDENTAL(テルフィール、オスフィール) 1999年の発売開始以来、整形外科領域で10年以上にわたり「オスフェリオン」として販売、臨床応用されている吸収性骨移植材が、2015年8月6日に「オスフェリオンDENTAL」の販売名で歯科領域にて承認され、販売を開始した。主成分はβ-TCP(Ca3(PO4)2)であり、顆粒内部に約50%のミクロ(気孔径10μm以下)の連通気孔を有し、表面積が広く細胞侵入を促す液性成分が染み込みやすい構造をしている。気孔率77.5±4.5%、圧縮強さ0.9MPaであり、Sサイズ:150~500μm、Mサイズ:500~1000μm、Lサイズ:1000~2000μmの3種類の顆粒径を有し、S、Mサイズは0.5㏄、Lサイズは1.0㏄で個包装された形で提供されている。かなり早期に吸収する骨補填材料であり20、骨格外側方向への骨増生ではなく、サイナスフロアエレベーションやリッジプリザベーションのような、閉鎖された部位への骨増生が適していると思われる。また完全に吸収置換することから、歯周組織への応用に利点を見出す歯科医師も多い。プラント埋入時に、インプラントが露出した部分を補填する目的でのみインプラント適応となる。ほぼ吸収を示さないため、臨床上使用しづらいが、インプラントの唇側方向へのラテラルリッジオーギュメンテーションなど、吸収してほしくない部位に用いるのが妥当であろうと思われる。画像:ガイストリッヒファーマージャパン提供。画像:モリタ(テルフィール)、京セラ(オスフィール)提供。19

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