Chapter1診査・診断・意思決定cbade15外歯瘻Fig1-3a~e 外歯瘻形成直前と思われたケース.a:患者は最初に皮膚科を受診し原因不明ということで歯科受診を勧められ当院を受診.b:左側外頬部に陥凹を認める.直径5㎜程度,弾性硬のシコリを触知した.c:口腔内に腫脹は認めなかった.d:歯髄および根尖歯周組織に対する診査で容易に原因歯を特定できた.e:原因歯である下顎左側第一大臼歯の根管治療を行い,外頬部の陥凹も消失した.術後2年経過したが経過良好である.達することにより形成して,波動を呈します.充実性の腫脹であれば非歯原性の可能性もあり,口腔外科専門医への対診も考慮します. 炎症は解剖学的に抵抗の少ない組織間隙に波及しやすく,全身状態が悪く抵抗力がない状態だと容易に蜂窩織炎へ移行することもあります.b.内歯瘻(sinus tract) 内歯瘻は,根尖病変を有する歯の約20%に発症していると報告されています8.内歯瘻を有する歯は,根尖性歯周炎が慢性化した結果の一症状であり,打診や触診に対しての閾値は高く,隣在歯に根尖部透過像を有する歯が存在していると患歯の特定が困難であることも考えられます.
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