GPのエンド,専門医のエンド
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abc14腫脹Fig1-2a~c a:左側外頬部の腫脹を主訴に来院.歯髄,根尖部に対する診査の結果,腫脹は非歯原性であることが特定できた.b:下顎左側第二小臼歯は打診(−),触診(−),Cold(+),Hot(+),EPT(+).下顎左側第二大臼歯は打診(−) 触診(−).c:上顎左側第二小臼歯,第一第大臼歯 は打診(−),触診(−).上顎左側第二大臼歯は打診(−), 触診(−), Cold(+), Hot(+), EPT(+)であった(診査方法,診断名およびその解釈については後述).①口腔外診査(Fig1-1参照)a.腫脹 通常は患歯が存在する側に発症します.両側に腫脹を認めるときは,全身疾患の一症状や非歯原性疾患の可能性もありますから,専門医の対診も考慮しながら診査を進める必要があります(Fig1-2a~c).b.外歯瘻 外歯瘻は,根尖性歯周炎を主原因として顔面皮膚に形成される瘻孔であり,発生率は非常に稀で,0.2~0.4%との報告があります6. 歯原性以外の原因としては局所皮膚感染,陥入した体毛,閉塞した汗腺,骨髄炎,悪性新生物,結核,放線菌症などの報告があり,根尖性歯周炎由来の外歯瘻と鑑別を必要とします7. 患者は根尖病変由来の外歯瘻を歯原性疾患とは認識できず,皮膚科,形成外科,口腔外科を最初に受診する傾向にあり,不要な切開や瘢痕除去術を受ける可能性があると報告されています.鑑別診断は後述する歯髄および根尖歯周組織に対する診査で容易に診断は可能です(Fig1-3a~e).②口腔内診査(Fig1-1参照)a.腫脹 根尖性歯周炎が抵抗の少ない皮質骨を吸収し,骨膜下に膿瘍を形成して,骨膜を破って歯肉粘膜下に

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