集まれ!訪問歯科衛生士ビギナーズ在宅口腔衛生管理スタートブック
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てしまいます(図6-3b)。経管栄養の方は、胃ろうの位置で曲がると炎症が出る場合もあります。角度を変更する際は声をかけ、上肢の位置に注意! 手順としては、図6-4のように、骨盤がベッドの折れ曲がる位置より上にくるように合わせたら、はじめに下部を上げ、そのつぎに上部を上げていきます。ベッドの角度は急激に変えると、めまいや貧血など患者さんの体調に変化が出てしまうこともあるため、必ず一声かけてから患者さんの状況、状態に合わせて少しずつ変えていきましょう。 また、上肢の位置によってはベッドの角度を調整する際に挟まってしまったり、手首が変な方向に曲がってしまうこともあります。たとえ上肢に麻痺がなくとも、高齢者の方はベッド柵を握られていることが多いため、布団で見えない場合でも一声かけ布団をめくるなどして、角度を変える前に上肢の位置をしっかり確認しておいてください。 からだのポジションを整えたあとは、軽く顎が引けるように頭部を枕などで角度調整したり(図6-5)、上体が安定しない場合もクッションやタオルなどをからだの左右に入れ込んで傾斜を防ぐようにしましょう(図6-6)。 患者さんの楽な姿勢を確保したあと、口腔ケアを行う自分たちの腰などの負担にならない位置に、ベッドの高さを合わせます。 ベッドの角度を動かすときは必ず患者さんに一声かけてから行い、少しずつ動かす 骨盤がベッドの折れ曲がる位置より上にくるように調整する ベッドの角度を動かす前に上肢の位置を確認するクッションを組み合わせてからだを安定!足もからだも不安定な状態。顎が引けず、つらそうなようす。枕の下にタオルを入れ楽な姿勢に!図6-6 上体の安定性の調整図6-5 頭部の角度調整ab患者さんのからだがずり落ちないようにベッド下部を少しずつ上げる。患者さんをできる限りベッド上方まで引き上げ、骨盤の位置を確認する。図6-4 ベッド上のポジショニング手順ab上肢の下や足底にクッションなどを入れ込み、楽な体勢にする。患者さんが誤嚥せず楽な角度になるようベッド上部を少しずつ上げる。cdab70

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