マイクロデンティストリー YEARBOOK2020
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104別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2020」PART1PART2PART3PART42 ケースプレゼンテーション図4e 口蓋側から採取した結合組織片の試適.図4f 縫合による結合組織片の固定.図4g 歯槽堤増大術終了時.では低倍率を用い,1歯単位の形成を中倍率,フィニッシュラインの仕上げは5倍速コントラの注水,非注水を使い分けながら高倍率視野を用いて仕上げていった(図5d).支台歯形成終了後,マイクロスコープ視野下にてプロビジョナルレストレーションの調整を行った(図5e). 最終補綴装置製作前に,歯科技工士製作による最終確認用プロビジョナルレストレーションを装着(図6a).必要に応じた調整後に,顔貌と歯列,スマイルライン等の見え方についてコミュニケーションを取りながら動画,写真撮影を行い確認した(図6b).患者の希望と,加齢による安静時の上顎前歯露出量低下を補正する目的で,平均的な歯冠長より長い形態に設定した.プロビジョナルレストレーションにて,形態,機能,発音の検討,確認後,これをもとに最終補綴装置製作段階に移行した(図6c). 印象採得に際しては事前に拡大視野下にて歯肉圧排操作を行い,印象採得後はとくにフィニッシュライン上の気泡混入の有無,滲出液,血液,唾液による印象面の荒れがないことを高倍率にて確認した(図7a〜c). 完成した補綴装置(図8a,b)の適合状態を模型上でマイクロスコープにて確認後,口腔内で試適を行った(図9a,b).ジルコニアの補綴装置内面は試適後にサンドブラスト処理をし(図9c),MDPを用いてプライミングを行い接着性レジンセメントにて装着2,3をする.筆者は今回のように縁下にマージン設定をした補綴装置の場合,余剰レジンセメント除去は装着した当日だけでなく,歯肉の状態がある程度落ち着いたタイミングで再度拡大視野下にて確認,除去し(図9d),最終的にデンタルエックス線写真撮影を行いチェックしている(図10,11).図4d 口蓋から結合組織移植片を採取.

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