生涯にわたる顎顔面の成長とインプラント治療
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シンポジウム1・2レポート 顎顔面の継続的成長変化がインプラントに影響を及ぼす 松下容子図4 舌側に取り残された右側3本のインプラント補綴装置。図5-a、b リモデリング(a)とDisplacement growth(b)の違い。上顎成長部位下顎成長部位横断面正中口蓋縫合頬側:骨添加舌側:骨吸収矢状面Displacement による上顎骨の伸長上顎結節部:リモデリング下顎頭:軟骨内骨化下顎枝:リモデリング前頭面Displacement による上顎骨の伸長リモデリング・受動的萌出下顎頭:軟骨内骨化歯-歯槽複合体:骨添加表1 Enlow、 Odman、Thilander、Senner-by、Israelらの個別研究1〜4)をDaftary氏がまとめた内容を筆者が要約し表とした。下顎が前方へ回転し結果的に顔面高さが小さくなり短顔になる。女性の加齢変化は①眼窩の拡大、②下顎傾斜角の開大、③眉骨の角度変化にみられる(図6)。 変化の原因:リスク要因 法医学者Midori Albert5)によると、顔面の変化に影響するものには内因性要因と外因性要因があり、外因性には太陽光、薬物、喫煙、心理的ストレスなどがある。たとえば、紫外線の強い地域に住む人は皮膚の弾力性が失われ、それが骨の成長に影響を与えるため早期に加齢現象が起きる。内因性にはホルモンの変化、組織の弾性の喪失、顔面骨の支持構造の変化がある。ホルモンの変化量は20歳までは男女差がないが、女性の特に28〜48歳の妊娠可能年齢あるいは閉経期において顕著なホルモン量の変化と同時に顎顔面骨に変化が起こり、その後も女性のほうが男性より変化が大きい(図7、表26))。図6 女性顔面骨の変化(成長)。図7 ホルモン活動量の男女差。女性男性年齢0102030405060708010090ホルモン活動量成人女性(20~40歳)高齢の女性(65歳以上)ba13

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