進化する口腔内スキャナー完全ガイド 20202021
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82Case Presentation 株式会社モリタ形成終了後ペーパーディスクなどで切端や鋭角部を丸めるなどの配慮が必要である(図9). 内側性窩洞では極力単純な窩洞形態を意識する.曲率はミリングバーの直径を意識する.マージンはすべてバットジョイントとし,ベベルは付与しない.側室形態もボックスフォームを取らず,緩やかに移行的な形態とする(図10,11).口腔内直接光学印象までの流れ IOSを活用するにあたってもっとも重要でテクニックが必要なパートとなる.図1 実臨床での勘所はほぼ共通する.マニアックな使い方を競う必要もなく,平均して優れた臨床成績が出せるようなポイントを記載したい.図2 支台歯形成において鋭角部位は変換エラーが発生する.マージンの舐められや移行部の変形を引き起こす.計測光は反射・狭窄部位での乱反射,吸収,透過光反射などが起こる.角張った形成はエラーの集合体となる.図3 できるだけ歯肉縁上マージンが好ましい.深い歯肉縁下は光学印象の対象でない.確実にショルダー部マージン幅を確保する.支台歯には「角」を残さない.一般的に言われる接着型の形成が必要になる.図4 形成の基本は三面形成であることに変わりはない.しかし,各面を移行的に仕上げる必要があり,「角」はCAD変換エラーだけでなく修復物に応力集中による引っ張りストレスを与え破折へ導くため,禁忌である.図5 歯肉縁上マージンは光学印象の基本.条件によるが可能であれば縁上マージンで形成を行いたい.大臼歯クラウンにおいても「維持」を期待するような形態は禁忌である.咬合面形成もV字形成は行わない.フットボール型バーなどで丸く仕上げる.図6 バーの直径より鋭角だと切削ができない.よってオーバーミリングされてしまう.切端の内面適合性の低下に注目(右端).

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