進化する口腔内スキャナー完全ガイド 20202021
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64Case Presentation デンツプライシロナ株式会社図1 CERECのプロトタイプから Primescan発表までの流れ.35年のノウハウがPrimescanの性能とコンセプトを完成させた.図2 大きくなったと言われるボディを現他機種と比較すると,大きさはほぼ同じか,やや小さくレンズのフィールドが大きく余剰部分のフレームが薄く,最後方臼歯部の遠心部位にも容易に届かせることができる(中央がPrimescan).はほとんど必要がなく,大きさを感じさせないようになっている. スキャナーのカメラ部分で他機種と比べてみると,Primescanは他機種とほぼ変わらないか,逆にやや小さく,カメラ先端の縁が薄く作られているため,最後方臼歯部の遠心にも届きやすいように撮影フィールドが広くなっていることがわかる(図2). では,なぜ撮影時の稼動範囲が小さくてすむのか順を追って説明していきたい. Primescanが今回新しく採用した光学計測方式は,超高速コントラストアナライシス(High Frequency Contrast Analysis)という歯牙や歯肉表面に当てて反射してきた光のコントラストの明暗の比較による計算から立体認識を行うものとなっており,光の照射角と反射角が同一なことでフィールドに写る範囲のものはすべて撮影できてしまう(図3). 共焦点方式でも照射角と反射角が同一なのは同じであるが,偏光プリズムによる虚像のずれが大きくなり焦点が合わない部分は撮影できないことで,チルトする必要性が生ずる. この超高速コントラスト・アナライシスは,3Dデータ取得のために,コントラストパターンを歯牙に投影する.カメラに内蔵されているスマート・ピクセルセンサーが,このパターンに対して1秒あた1987CEREC11994CEREC22000CEREC32009CEREC ACBluecam2012CEREC ACOmnicam2019Primescan1985Prototype

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