PMI ペリオドンタルモチベーショナルインタビューイング
3/6

42ソーシャルスタイルの4分類2「ソーシャルスタイルの4分類」は1968年にアメリカの産業心理学者デビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論で、人の言動を4つに分けて分析し、相手が望ましいと感じる対応を探し、選択する方法として活用されています。すべての人の言動を明確に4つに分けることはできませんが、大まかな方向性として考えて自身や患者さんを分類し、医療面接やコミュニケーションに活用します。グイグイ行動型[driving]特徴◦自己主張が強く感情が表に出にくい◦一見すると怖そう◦物事を自分の思い通りにしたい◦決断力がある◦次への行動のペースが早い◦人を寄せ付けない印象を与える◦自分の弱みを隠すために相手を攻 撃する傾向がある対応例◦説明は、結論から単刀直入に行う◦細かいことを指示されるのが嫌い なので、TBI時は責任範囲を明 確にし、複数の方法から患者さん 自身に選択させるイキイキ直感型 [expressive]特徴◦自己主張が強く感情が表に出やすい◦エネルギッシュで自発的◦細かいことはあまり気に留めない◦社交的◦飽きっぽい◦よく話すが人の話をあまり聞かない対応例◦患者さんの発言を否定せず、ほめ て気分を乗せてあげる◦飽きっぽい患者さんには、短時間 集中で、要領良く指導する自己主張しやすいあまり自己主張しないあまり感情表出しない感情表出しやすいニコニコ温和型[amiable]特徴◦自己主張が弱く感情が表に出やすい◦人の気持ちに敏感◦ノーと言えない◦自分の感情や気持ちを抑える傾向 があり、何を考えているかわかり にくい◦感情や直感をベースに行動する対応例◦ひとつひとつていねいに説明し、 結論は最後に話す◦セルフケアをほめる場合は写真を 比較して見せるなど具体的に行う◦細かく考える傾向があるため、そ の時間をとってあげるなど工夫するキッチリ分析型[analytical]特徴◦自己主張が弱く感情が表に出にくい◦常に冷静、慎重に行動する◦客観的に物事をとらえる◦やると決めたら粘り強く取り組む◦頼まれたり、頼られたりすると行 動を起こしてくれる◦感謝されるのが好き◦理由なくほめられるのは好まない対応例◦お願いすれば、期待に応えられる よう磨いてくれる患者さんが多い◦「いつもていねいにセルフケアし ていただいて助かります」などと声 をかけるあれば改善することもできるでしょう。また問診や口腔清掃指導、普段の何気ない会話から患者さんがどのタイプに近いか考えるのもいいでしょう。

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る