はじめての矯正歯科技工
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55第5章 矯正歯科技工の線鑞付け法と拡大装置図5-5l  左右脚部の屈曲が完了した図5-5m 通常はD・E間中央で脚部と主線の鑞付けを行うので脚部を切断し,主線との鑞付けに備えて断面を平坦にする.図5-5n 主線との接合する部分は,主線との鑞付け際に熱が石膏に奪われないよう彫刻刀(エバンス)で直径3.0~5.0mm,深さ1.0mm程度の凹みを入れておく(円内).図5-6a 手指で0.9mm線を作業模型の歯列を想定して緩やかなアーチ型にする.図5-6b 切歯乳頭部の屈曲.切歯乳頭部は通常,若干の膨らみがあるので, アダムスのクラスプで直角になるよう主線の正中部を把持し,その部分を避ける意味で膨らみを付与する.主線の屈曲と確認主線の屈曲 舌側弧線装置の主線は,歯の近心移動や,唇・頬移動のための補助弾線や牽引のためのフックなどを鑞付けする固定源としての大切な働きがあるが,そのほかに,歯の移動後の保定装置としての働きももつことがある. 屈曲に際して,初めに,主線を作業模型の歯列弓から想定した緩やかなアーチに調製する(図5-6a, b). その後,切歯乳頭部分に膨らみを与え移動歯の状態に沿った屈曲を行う.このとき上方からアーチを観察すると切歯乳頭部の膨らみは,アーチの下にあ

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