ITI Treatment Guide Vol11
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7章 コンピュータガイドサージェリーITI Treatment Guide ・ Volume 11807.2 ガイドサージェリーで使用されるシステム7.2.1 動的システム:ナビゲーションシステム  動的ガイド外科プロトコールにおいて、インプラント埋入位置の計画には、CBCTデータがインポートされたプランニングソフトウェアが使用される。計画された埋入位置にインプラント埋入を行うために、光学追跡システムを有するサージカルナビゲーション装置が使用される。例えば、MicronTracker(ClaroNav, Toronto, Canada)では、特殊なマークをした対象物を検出して追跡するため、リアルタイムで立体映像が利用される(図1)。光学追跡標的物として知られるこれらのマークされた対象物は、手術用ハンドピースならびに患者の顎骨に連動しその位置関係を認識可能とする(図2)。光学追跡装置によりこれらのマーカーを追跡し、患者スキャンから得られた矢状面、軸面、ならびに前頭面における二次元イメージを介して、インスツルメント先端のリアルタイムの位置がスクリーン上に表示される(図3)。術者はリアルタイムにスクリーン上で外科手術をモニタリングすることが可能で、例えば、神経などの解剖学的構造物を避けなければならない場合には、術式を変更することも可能である(図4)。 サージカルナビゲーションシステムは、術者が外科的治療術式やインプラントの埋入位置を術中に変更可能であることから、しばしば動的システムとして紹介される。術者は、手術前に収集した患者の解剖学的情報と、術前の治療計画に関する三次元情報からドリルの先端の位置を可視化できるため、システムの誤差などに気づけば手術中に治療計画や術式を変更することができる。7.2.2 静的システム:ガイドサージェリー コンピュータガイド(静的)外科手術システムでは、サージカルガイド製作のために、光造形法(ラピッドプロトタイピング)、3Dプリンティング(図5)、もしくは、変換アルゴリズムを介してコンピュータ上でラジオグラフィックテ図1 MicronTracker(ClaroNav)。図2 マークされた対象物は、手術用ハンドピースと患者の顎骨に連動している。図3 光学追跡装置がこれらのマーカーを追跡し、二次元イメージを介してインスツルメント先端の位置をリアルタイムに表示する。図4 ナビゲーションシステムにおけるプランニングソフトウェア:実際の手術の前に行われるバーチャルインプラント埋入手術。

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