ITI Treatment Guide Vol11
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2.3 デジタル印象――口腔内のデジタル化Digital Workflows in Implant Dentistry13図10 スキャンボディの設置。図11 模型保持部。図12 技工用スキャナーの設定。図13 模型の設置場所の確認。 これらSTLファイル形式の代替となるファイルタイプの利点として、色調・質感・マージンラインデータなどといった付加的な情報を記録できる点などが報告されている。多くの異なるメーカーが異なるファイルシステムを採用しているため、通常クローズドシステムよりもオープンシステムのほうが好まれる。オープンシステムはファイル変換の必要がなくどのCADソフトウェアでも使用できるファイル形式である。クローズドシステムの場合、ファイルの変換は関連するライセンス契約によって制限されたり制約を受けたりすることがある。ファイル変換の際には、データの損失やデータセットの破損が起こるリスクもある。 複雑な口腔内の形態のデジタル化は3つのプロセスを介して達成される。・従来の印象テクニックから作られた石膏模型をスキャンしデジタル化する口腔外スキャナー・従来の印象をそのままスキャンしデジタル化する口腔外スキャナー・発光デバイスによって非接触の光学的なスキャンを行い、口腔内の状況を直接デジタル化する口腔内スキャナー2.3.2 口腔外スキャニングシステム   インプラントアナログとシリコーン製のガム模型を備え付けた従来型の石膏模型を製作し、その後、歯科技工士が卓上型の技工用スキャナーを用いて模型をスキャンする。初期のスキャナーには、模型の凹凸をスキャンしデータ化するために接触探針が必要であった。それらの接触型スキャナーの大部分は非接触型の光学スキャナーにとって代わり、接触型の技術的限界を取り払うことができた。技工用スキャナーの内部には、スキャンを行う発光デバイスの方向に模型を移動させる模型保持部がある。初期のスキャナーではスキャンが可能な部位に正確に模型を設置する必要があったが、近年出ているスキャナーの多くは模型保持部が回転し、表面とアンダーカット部をくまなく読み取ることができる。

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