攻めのクラウン・ブリッジ
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9Contents 1 マージン設定は結果的に接合上皮内マージン口腔上皮歯肉溝上皮付着(接合)上皮結合組織歯肉の幅前庭側歯肉上顎6(mm)(mm)4212345670531下顎0(mm)(mm)2413562.そもそも辺縁歯肉の幅はどのくらいあるのか Dentogingival complex理論を展開するKoisらによると,唇側で3mm,隣接面で4mmと述べている85〜87.仮に唇側にマージンを設定するとして3mmから前述の骨頂からの距離2mmを引くと1mmとなり,歯肉縁下1mmにマージン設定してよいこととなる.Koisも歯肉縁を基準とした場合, 0.5~1mmの歯肉縁下マージンを容認しており,筆者と同じ考えであることがわかる,ただし,1mmの場合は付着(接合)上皮内である. Müllerらは,超音波測定装置により歯肉の厚みと幅を計測し,幅に関しては上顎中切歯で3.35~5.27mm,側切歯で3.68~6.59mm,そして犬歯で図3 Lindheは,歯肉溝上皮は角化しているとして,歯肉溝上皮に上皮脚のあることを示している(文献104より改変引用).図5,6 形成前に20歳,女性のボーンサウンディングを行っているが,歯肉の幅は約4mmであることがわかる.図4 Lindheは,各歯の歯肉の幅をドットで示した.上顎中切歯は4mm以上あり,下顎前歯は3mmで幅が少ない.興味深いのは,歯肉退縮が術後に起こりやすい小臼歯部は元来歯肉の幅がないことがわかる(文献104より改変引用).5カバレッジでの検討とは異なる感がある.筆者ら(共同研究者:広田一男/ヘルスケアー口腔器材研究所)が行ったカニクイザルにおける研究においても骨吸収量は約2mmであった(図1,2). 以上より,マージンは骨頂から1.5~2mm離したほうが骨吸収の心配はないようである.

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