訪問歯科診療プランニングの極意
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嚥下内視鏡検査とは? ―正常例と異常例―原 豪志臨床のヒント02 摂食嚥下運動は外部から見えにくいため、問診やスクリーニングテストなどの外部評価では限界がある。一方、摂食嚥下機能の精査に用いられる嚥下内視鏡検査は、経鼻的に内視鏡を挿入し、摂食中の口腔・咽頭を観察することが可能である。患者が日常的に摂取している飲食物を検査食として用いることが可能であり、その飲食物の誤嚥や咽頭残留の程度を評価し、適切な食形態の決定に役立てることが検査の目的の一つとなる。 嚥下中は粘膜が内視鏡先端に接触するため視野が失われるが、嚥下前・嚥下後の誤嚥の検出が可能であり、食物の咀嚼の程度も中咽頭領域にて観察が可能である。その他の利点としては、携帯性の高さが挙げられる。そのため病院の検査室だけでなく、在宅で療養する患者宅に訪問しての検査が可能である。しかし、検査中に不快感があることや、嚥下中の所見や口腔・食道が観察できない、などの問題点がある。嚥下内視鏡検査の利点と欠点欠点嚥下反射時の瞬間が観察できない口腔・食道の観察ができない検査時に不快感がある利点分泌物貯留の状態を観察できる普段の食事を用いて検査できるモニターにて検査所見を共有できる被曝がない検査ユニットが小規模であるためベッドサイドでの検査が可能嚥下内視鏡喉頭蓋喉頭蓋谷気管食道体の後方体の前方声帯22訪問歯科診療 プランニングの極意 ―エキスパートたちの実例でみる、摂食嚥下をめぐる諸問題解決の糸口―

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