PRD YEARBOOK2019

2/8

歯周病学I全文翻訳別冊the Quintessence PRD YEARBOOK 2019重度歯周炎に罹患した歯に対する歯周組織再生療法と矯正歯科治療：10年間の前向き研究Periodontal Regeneration and Orthodontic Treatment of Severely Periodontally Compromised Teeth: 10-Year Results of a Prospective StudyMario Roccuzzo, DDS1 / Sissi Marchese, DDS2 / Paola Dalmasso, MSc3 / Andrea Roccuzzo, DDS2要旨Abstract　本研究の目的は、歯周組織再生療法後に矯正治療を行った歯周炎に罹患した歯の長期間の臨床的な経過を調査することである。個人の専門医院に来院した、大臼歯以外の少なくとも１歯に７mm以上の歯周ポケット（PD）と位置異常を有する重度歯周炎に罹患した48名の患者が本研究に登録された。治療は以下に示す順序にて行われた：感染のコントロール、暫間固定、歯周組織再生療法、矯正治療、永久固定、歯周病安定期治療（SPT）。36名の患者が10年間の研究を完遂し、12名が経過観察時に脱落した。PD７mm以上の部位は25.4±16.7ヵ所から1.8±2.1ヵ所に減少した。矯正治療を行った歯のPDは、6.3±1.5mmから3.1±0.6mmに有意に減少した。１本の被験歯は、歯根破折により最終評価の前に抜歯となり、２本の歯は、失活したため根管治療が施された。10年間の経過観察期間中に、８歯が再発し、さらなる治療を要した。本研究結果から歯周炎における感染のコントロールが可能であれば、歯周炎により重度に組織が破壊された歯においても、矯正治療は歯周組織再生療法により獲得した良好な結果を長期的に減ずることはないことが示された。（Int J Periodontics Restorative Dent 2018;38:801-809. doi: 10.11607/prd.3756）1Lecturer, Division of Maxillofacial Surgery, University of Turin, Turin, Italy; Private Practice, Turin, Italy; Adjunct Clinical Professor, Department of Periodontics and Oral Medicine, University of Michigan, Ann Arbor, Michigan, USA.2Private Practice, Turin, Italy.3Professor, Department of Public Health and Pediatrics, University of Turin, Turin, Italy.Correspondence to: Dr Mario Roccuzzo, Corso Tassoni 14, 10143 Torino, Italy. Phone/Fax: +39.011.771 47 32. Email: mroccuzzo@icloud.com.14