トラブル事例に学ぶ歯科訪問診療
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 求められる治療内容は、診療室で行う治療と変わりはありません。ただ、日常の口腔内のケアを持続させるための介護対応部分を占める割合が増えることが特徴といえます(14ページ図8)。 また、内科的疾患が理由で在宅の場合、前述したように急性期を脱しているだけの不安定な病態 在宅歯科診療を受けている患者さんに全身管理下での外科処置が必要になった場合、開業している地域の地域支援病院に処置を依頼します。連携をスムーズに行うためには、歯科訪問診療を担当している地域周辺の地域支援病院・地域連携室に連絡し、協力医として登録しておきます(図11)。さらに、日ごろより地域支援病院での勉強会等に出席し交流を深め、face to faceの関係を築いておきます。そうすることで病態の照会や患者さん紹介などが必要な場合も、メールや電話などで容易にできるようになります。緊急時には、心強い後方支援の存在が何よりです。 患者さんが多職種のサポートを受けている場合、そのサービスを調整、計画立案する担当ケアマネジャーより情報を得ます。居宅サービス計画書に1週間、1ヵ月のサービスに関わる担当者、スケジュールが記載されていますので、必要に応じて連絡、協力を要請します(図12)。であるため、原則恒常性の破綻を来すような観血処置、麻酔下での処置は控えたほうがよいと思います。処置が必要な場合は、自医院に搬送して行うか、全身管理が必要な場合には、口腔外科のある病院に紹介し、処置を依頼します。このためにも病診連携の体制を整えておくとよいでしょう。在宅での歯科診療は、どこまで対応するのか?Q1後方支援がないと、在宅での歯科診療はできないのか?Q2図11 病診連携の体制整備Q&Aで理解する 歯科訪問診療の安全対策 基本ノウハウ5高田晴彦A1A216困ったぞ! こうなりたくない! トラブル事例に学ぶ歯科訪問診療

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