薬YEARBOOK2019
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抗血栓薬106別冊 the QuintessenceTiclopidine Hydrochlorideチクロピジン塩酸塩【剤 形】細粒、錠 血小板のADP受容体(P2Y12)に結合し、血小板の凝集反応を不可逆的に抑制する。使用初期に副作用が起こりやすく、定期的な血液検査が必要である。同じチエノピリジン誘導体では、より副作用の少ないクロピドグレルや、第三世代のプラスグレルが登場している。【商品名】パナルジンチクロピジン塩酸塩「杏林」「サワイ」「トーワ」「日医工」「KN」「NP」「TCK」「YD」マイトジン効能・効果血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療、血流障害改善慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善虚血性脳血管障害に伴う血栓・塞栓の治療クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害改善抗血栓薬としての用法・用量血管手術 1日に200~300mgを2~3分服(食後)慢性動脈閉塞症 1日に300~600mgを2~3分服(食後)虚血性脳血管障害 1日に200~300mgを2~3分服または200mgを1日1回(食後)クモ膜下出血 1日に300mgを3分服(食後)いずれも年齢、症状により適宜増減警告血栓性血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、重篤な肝障害などの重大な副作用が主に投与開始後2ヵ月以内に発現、死亡例の報告。投与開始から2ヵ月は原則として2週間に一度血球算定と肝機能検査を行う。検査のための定期的来院と副作用について患者説明・指導を行う。投与開始から2ヵ月は原則として1回に2週間分を処方する。禁忌出血している患者、重篤な肝障害、白血球減少症の患者、チクロピジン塩酸塩による白血球減少症の既往歴、チクロピジン塩酸塩に対する過敏症の既往歴のある患者原則禁忌*肝障害のある患者副作用重大な副作用:血栓性血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、重篤な肝障害、再生不良性貧血を含む汎血球減少症、赤芽球癆、血小板減少症、出血、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形滲出性紅斑、紅皮症、消化性潰瘍、急性腎障害、間質性肺炎、SLE様症状半減期500mgでおよそ1.6時間(血小板の不可逆的阻害であるため、薬理効果は半減期に関係なく、血小板の寿命まで持続する)*添付文書の「原則禁忌」「慎重投与」は2019年4月1日より廃止予定

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