マイクロデンティストリー YEARBOOK 2019
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PART1PART2PART3PART437別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2019」マイクロスコープを用いたコンポジットレジン修復 ラバーダム防湿で確実に歯頸部を露出できるのであればラバーダム防湿を行うが,不可能な場合でも歯肉圧排を行うことにより術野が明示され,窩洞形成中の出血を回避できるとともに,歯肉溝滲出液をブロックすることができる(図1).窩洞形成後はエナメル質のみ選択的にリン酸エッチングを行い,セルフエッチングプライマー系のボンディング処理を行う(図2).充填のポイントは三橋純先生のSurface Tension Control Method2を参考に,フロータイプのコンポジットレジンの表面張力を利用して歯肉側マージンを適合させることと(図3),分割積層充填(図4)によるコントラクションギャップやホワイトマージンを防止することである3.積層の順序は,窩洞の中央部でマージンに触れない部分を最初に行い,窩洞の最深部に対するC-Factorによる影響を少なくするよう配慮する.次いで,歯肉側マージンに表面張力を利用して形態付与し適合させ光重合する.この時に過不足なく的確に行う必要がある.最後にエナメル質側のマージン部と先に積層充填した部分とを最小量のレジンでつなぎ合わせるように充填する. エナメル質と象牙質では接着強度が異なるため,重合収縮量が大きく影響する状況下では,接着強度症例1図1 エナメル質側よりも象牙質側に漏洩がみられる旧修復物と歯肉圧排による術野の明示.図2 エナメル質に対するセレクティブエッチングとセルフエッチングプライマー系のボンディング処理.図3 歯肉側マージンに対する表面張力を用いたフロータイプコンポジットレジンの適合のさせ方.図4 重合収縮と接着強度を考慮した歯頸部積層充填の順序.Step1Step2Step3

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