必ず上達 矯正臨床
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4. 総合的治療の中の矯正治療の応用CHAPTER 4図7c 矯正治療に先立ち,フェルールの獲得と上顎前歯の歯肉ラインの調和を目的に歯周外科を行った.図7d メタルテンポラリークラウンを装着後,0.014インチステンレススチールラウンドワイヤーにてレベリングを開始した.プラケットポジションは全体のレベリングを目的としているため,スランダイドエッジワイズ法のブラケットハイトに準じて装着(中切歯4.0mm,側切歯3.5mm,犬歯5.0mm,小臼歯4.5mm,大臼歯3.5mm).図7e 挺出した右側上顎小臼歯をTAD(Temporary anchorage device)を使用して遠心移動と圧下させ,同時に₃,₁間にオープンコイルスプリングを挿入し₂のためのスペースの拡大を行った.図7f 同時に₅のスペースを確保するために₆,₄間にもオープンコイルスプリングを使用してスペースゲインを図った.図7h 動的治療期間13か月.おおむね₂の歯冠幅径回復のためのスペースが確保できた.左側下顎臼歯をセクショナルアーチで若干のアライメントを行い,動的治療を終了した.移動した前歯部は開かないようにリガチャーワイヤーで8の字結紮(Figure eight tie)を行った.図7g 顔面正中に対して,上顎中切歯間の位置が右側に位置していたため,クリンパブルフックを装着し,₁ー₃を1歯単位で遠心移動し,₂のさらなるスペースゲインと上顎中切歯正中と顔面正中との調和を目指した.95
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