YEARBOOK 2019 歯周組織再生療法のすべて
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PART22 歯周組織再生療法は,失った歯周組織を回復できる可能性のある,患者にとってたいへん有益な手法である.しかし,良好な結果を得るには,適切なプラークコントロールと,高い診査・診断,治療スキルが求められる.本稿では,広汎型重度慢性歯周炎患者に生じたさまざまな組織破壊に対し,ディシジョンツリーを応用して最適な切開・縫合法および骨移植術併用の有無を決定し,エムドゲインゲルを用いて歯周組織再生療法を行った症例を供覧する.図1,2 本稿で示す歯周組織再生療法の術前(図1)および術後3年6か月(図2)のデンタルエックス線写真.抄録About the Author岩野義弘東京都開業 岩野歯科クリニック連絡先:〒157‐0066 東京都世田谷区成城6‐9‐4 笹本ビル2階略 歴1999年 新潟大学歯学部卒業1999年 日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座入局2012年 歯学博士号取得2012年 岩野歯科クリニック開院2014年 日本大学歯学部兼任講師(歯周病学)所属学会・勉強会日本歯周病学会指導医・専門医,日本口腔インプラント学会代議員・専門医,米国歯周病学会会員,OJ正会員,日本臨床歯周病学会認定医,日本インプラント臨床研究会副専務理事・サイエンス委員会委員長再生療法,学びの遍歴❶再生療法をどうやって学んだか:1999年~2012年日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座在籍,伊藤公一教授に師事.50症例のフラップ手術執刀を含むさまざまな基準をクリアした後,2002年,伊藤教授立会いの下,初めての歯周組織再生療法を執刀.その後も教授のオペ見学や写真撮影をしつつ研鑽を積む.また継続的に抄読会にて再生療法をテーマに取り上げ,文献抄読.ディシジョンツリーを含むエビデンスについて学ぶ.2017年よりスーパーペリオ塾受講.❷再生療法を行うようになってからの年数:16年❸年間平均オペ数:約40ケース12Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P6参照)P49Modified Papilla Preservation Techniqueと骨補填材の移植による 血餅の保持と歯間乳頭の温存EMDを用いた歯周組織再生療法別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2019」38

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