図解!遅延型吸収性膜を用いた 安全安心GBR
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ab1歯槽堤増大術とGBRの利点 重篤な歯周疾患,歯根破折,根尖病変,外傷などにより抜歯を余儀なくされた場合,抜歯後に欠損部歯槽堤は重度に吸収し,インプラント治療により機能と審美の回復を図るためには歯槽堤の増大が必要となることが多い. 歯槽堤を増大することにより,著しい骨吸収により骨量が不足し,インプラント埋入が不可能になった部位へのインプラント治療が可能になるだけでなく,補綴主導型のインプラント治療(トップダウントリートメントプランニング)の実践,歯冠-歯根(インプラント)比の改善,適切な歯冠長および歯冠形態の付与(表1)などが実践できる.これにより,骨,歯肉,歯の各組織に連続性を与えることができ,機能性,審美性,清掃性の高い,安定した治療結果を得ることができる(図1a, b). 歯槽堤増大術にはブロック骨移植術,スプリットクレスト法,骨誘導再生療法(Guided Bone Regeneration:以下,GBR),仮骨延長術など,さまざまな術式1~9があるが,そのなかでもGBRは,三次元的な骨増大が可能である,粒子状の骨移植材を用いるため,骨欠損形態の影響を受けにくい,骨吸収が軽度で初期固定が得られる場合などは,インプラントの同時埋入が可能である,一般臨床家でも施術できる(表2)など,多くの利点を有しており,有効な治療オプションとして幅広く応用されている.・骨量が不足し,インプラント埋入が不可能な部位へのインプラント治療が可能になる・補綴主導型のインプラント治療(トップダウントリートメントプランニング)が実践できる・歯冠-歯根(インプラント)比が改善する・適切な歯冠長および歯冠形態を付与できる・三次元的な骨増大が可能である・粒子状の骨移植材を用いるため,骨欠損形態の影響を受けにくい・インプラントの同時埋入が可能な場合がある・一般臨床家でも施術できる表1 歯槽堤増大術の特長.表2 GBRの利点.図1a, b 歯槽堤増大により,従来は埋入できなかった部位へのインプラント治療が可能になるだけでなく,骨,歯肉,歯(インプラント)の各組織の連続性を獲得することができ,機能性,審美性,清掃性の高い治療結果を達成できる.■歯槽堤増大術のメリットGBR008図解! 遅延型吸収性膜を用いた安全安心GBR

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