エンドに必要なアナトミー 根管の構造と機能に基づく実践歯内治療
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〈糊剤充填法の問題点〉 図6,7はいずれもヨードホルム系ペーストの糊剤充填法には十分注意が必要であることを示している.特徴としては手技が簡単であり,薬剤の防腐的効果を期待して一部で使用されている.問題点としては,吸収される可能性,吸湿性,収縮性で死腔が生じるとの考え方がある.図6は根尖孔を通過させる溢出根充を暫間根管充填として前医が応用している.古くは根尖病変が感染と関連あると考えられていた時代に使用されており,骨の再形成を期待する考えもあるが実証されていない. 歯根嚢胞様病変に用いられた根充材の根管内異常吸収図6 症例:211,47歳,女性a:ビタペックス暫間根管充填のエックス線写真.2124日後,17日後.b:1の根管内填塞材の造影性の低下.1部の自発痛,歯の挺出感,咬合痛,歯肉の腫脹を訴え,大学病院保存科へ紹介される.c:21加圧根充17年10か月経過.1FR-Ca糊剤(根尖部)とガッタパーチャポイント+キャナルス®の積層根充20年9か月経過.骨の再形成がみられる.abc図7 症例:7 ,23歳,女性a:他医院で7の抜髄根充(ビタペックス)3年経過時.b:76年経過時.c:7歯根膜炎症状発現時の歯槽膿瘍病変.d:7感染根管治療,根充(ガッタパーチャポイント+キャナルス®併用加圧法)3か月後. 樋状根歯の根充材の造影性の変化と歯根膜炎症状の発現abcdPOINT11 根管死腔の生体に及ぼす影響163POINT1POINT2POINT3POINT4POINT5POINT7POINT8POINT9POINT10POINT11POINT12POINT14POINT6POINT13

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