歯科医療コミュニケーション
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②の数がもっとも多い患者さんは、社交的で話し好きな印象を受けるのではないでしょうか。表情が豊かで、「まぁ」「あら」などの感動詞や「××ねえ」といった語尾の多用が特徴です。話し好きなだけに多弁傾向にあり、気づくと話の内容ももともとの趣旨から脱線し、時間が長引いてしまうことが多々あります。歯科医院側としては途中で話を打ち切りたいところですが、こうした患者さんの多くは、事務的に対応をされることを好ましく思いません。解決策としては、いったん「それは大変でしたね」「お気持ちはわかります」「なるほどそのとおりですね」などと共感し、患者さんの気持ちに寄り添う姿勢をみせたうえで、本題やもとの趣旨に話を戻すことをお勧めします。解説2 ②の数がもっとも多いタイプ:社交的で話好きな印象を受ける患者さん このタイプの患者さんへの効果的な対応法 ・患者さんの気持ちを重んじて共感的に理解する姿勢を見せる 本題から話題がそれた場合や話が長引いた場合は、患者さんの感情に焦点を当てて共感の態度を示すことで、患者さんの気持ちが和らぎ、元の話題に戻しやすくなります。〔会話例 ① :共感の態度を表明する〕スタッフ本日は検査結果をもとに、現在のお口の状態を説明いたしますね。患 者あら~、結果を聞くのはちょっと怖い感じもしますね。実は、私の母は早くに入れ歯になってるんですよ。私も同じようになったらどうしようと心配していたんですけど、もし悪かったらどうしようかしら~。嫌だわ~、そうだったら困るわ~。スタッフそうでしたか、お母様のご経験から心配なさるのは無理ないですよね。わかります〔共感〕。さて先ほどのお話ですが〔本題に戻す〕、先に検査結果をお伝えし、それをもとに改善策についてお話しいたします。・最初にインタビューの時間枠を通告・提案する 社交的で多弁ゆえに、患者さんのペースに巻き込まれることが多くなります。あらかじめインタビューの時間枠を通告・提案しておくことも効果的です。〔会話例 ②:時間枠の設定〕スタッフ本日は30分間、お話の時間をとっております。最初に私の方から15分ほどご説明のお時間をいただきまして、残りの15分をご相談の時間に当てたいと思うのですが、よろしいでしょうか?4|患者さんの行動特性を考慮したインタビュー91

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