正しいカルテ記載マスターガイド 2018改訂対応版
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39第5章 症例でわかる カルテ・関連文書等の記載と要点41症 例 1保存修復・歯内療法、歯冠修復、抜歯第5章 症例でわかる カルテ・関連文書等の記載と要点歯科外来診療環境体制加算1(外来環1)+23点(初診時1回)再診時歯科外来診療環境体制加算1(再外来環1)+3点(再診時)1 歯科の外来診療においては、❶ 誤嚥等のおそれのある細小な根管治療器具等の歯科治療器材やインレー、クラウン等の歯冠修復物が多用されていること❷処置にともない局所麻酔を行う事例が多いこと❸ 高齢社会の進展等にともない、全身状態の把握・管理が必要な患者に対する歯科診療の機会が増大していること❹ 偶発症のリスクを高める観血的な処置を行う機会も多いことなどの特性を有することを踏まえ、患者および術者双方にとってより安全で安心できる歯科医療の環境整備をはかるため、以下の施設基準に適合するものとして届出をした医療機関において算定する。・歯科初診料 注1にかかわる施設基準の届出を行っていること・所定研修を終了した常勤歯科医師1名以上・歯科衛生士1名以上(非常勤可)・緊急時対応医療機器:AED、酸素、血圧計、救急蘇生セット、パルスオキシメーター・AEDに関しては保有していることがわかる院内掲示・別の保険医療機関との連携体制・ 歯科用吸引装置の設置(歯科医師が1人で診療している場合は移動式の歯科用吸引装置1台でかまわない。しかし、複数の歯科医師が診療を行う場合は必要に応じて複数台の装置を設置する)・医療安全管理対策実施の旨、院内掲示問 診 票No.         年  月  日 氏名          電話         この問診票は、診療上の大切な参考資料となります。あなたのプライバシーは個人情報保護法に基づき厳守いたしますので、できるだけ正確に記入してください。1.どうなさいましたか □むし歯の治療をしたい □歯並びを治したい      □入れ歯を入れたい □検査を受けたい    □歯のクリーニングを受けたい □その他(               )2.当院におみえになったことは □はじめて  □以前来ていた(  か月前   年前) □紹介されてきた(紹介者              )3.どこが痛みますか 右上 上前 左上        □歯   □舌 右下 下前 左下        □歯肉  □唇                 □頬   □顎4.痛みはどのくらい前から続いていますか □今日初めて  □  日前から  □  週間前から □  か月前から  □ときどき5.昨夜はいかがでしたか □痛くない  □痛いが眠れた  □眠れなかった □痛くて薬を飲んだ(薬品名                     )6.今はいかがですか □痛くない  □少し痛い  □ひどく痛い7.どんな痛み方ですか □ズキズキ痛い  □ズーッと痛い  □歯を合わせると痛い  □痛んだり止んだりする8.冷たいものはどうですか □しみる  □しみない9.熱いものはどうですか □しみる  □しみない10.今までに歯を抜いてもらったことはありますか □ない  □ある(  か月前   年前)11.麻酔の注射をしたり歯を抜いたりしたときに異常はありませんでしたか □麻酔や歯を抜いたことはない  □異常はなかった  □気分が悪くなった □熱が出た  □何日か痛んだ  □貧血やめまいを起こした  □アレルギーが出た □抜歯後腫れた  □血が止まらなかった  □その他(            )12.現在常用している薬はありますか □ない  □ある(薬品名                  )13.薬を飲んで副作用はありませんか □ない  □ある  □胃が痛くなる  □発疹ができる  □かゆくなる □その他(                                 ) 副作用のあった薬品名・種類(                        )14.アレルギーや特異体質はありませんか □ない  □ある  □かぶれやすい  □ぜんそくがある  □じん麻疹が出る □鼻がつまる  □その他(                         )15.抗生物質、副腎皮質ホルモン剤の使用経験はありますか □ない  □ある  □わからない16.現在受療中、または過去1年以内に医者にかかったことはありますか □ない  □ある        医院                             病院           科17.内科的な病気はありませんか □心臓  □腎臓  □高血圧  □肝臓  □糖尿病  □脳血管  □その他(                )  □ない18.現在の健康状態はいかがですか □良好  □普通  □悪い  (以下、女性のみ)□生理中  □妊娠中(  か月)19.治療内容・費用についての希望はいかがですか □保険のきく範囲で治したい  □なるべく保険で一部自費でもかまわない □もっともよい材料と方法で治したい  □痛むところだけの治療を希望する □悪いところはすべて治したい()◎初診時のカルテ(表面)および問診票口腔内所見を記載する2読影所見を記載する(40頁パノラマX線写真参照)3歯周基本検査(P基検)(1回目)1~9歯 50点、10~19歯 110点、20歯以上 200点4 歯周ポケットの測定(EPP)1点法以上および歯の動揺度検査を行った際に算定。歯周基本検査  30年10月2日 (歯数26本)出血動揺度000000000000ポケットの深さ332222222233部位8765432112345678ポケットの深さ322223322335動揺度000000000002出血○○ ○○ (37才)本人昭和●●●●△△△‐△△△△ ●●●‐●●●‐●●●昭和□□□□××××××●●●‐●●●‐●●●慢化per45C467C27P2H30年10月2日〃〃〃75~5775~6・むし歯の治療をしたい・21昨日(6.1)つめ物がとれたが痛みはなし・5年前から歯科には受診していない・2年前までコーラを常飲していた・1年前にタバコはやめた注) 歯周基本検査においてプロービング時の出血の有無は必須項目ではない。p040-047_karte-shorei1.indd 412018/06/29 13:45患者の主訴や診断・傷病名などを記したカルテ表面の記載例を掲載患者の訴えや希望、既往などがわかる問診票の例を紹介左頁カルテ内1に対応する解説欄歯周基本検査表、歯周精密検査表、処方箋、技工指示書なども記載例を赤字で記している診療上や保険算定上の注意事項などについて「アドバイス」欄を設け、詳細に解説。また、歯科疾患管理料について知っておきたいポイントをQ&Aで紹介保険点数に関する項目については、算定にあたっての決まりや注意事項などを解説症 例 2歯周治療(歯周外科手術)、ブリッジ第5章 症例でわかる カルテ・関連文書等の記載と要点歯科疾患管理料(歯管)(2回目以降)(47頁参照)13歯周精密検査(P精検)(1回目) 1~9歯100点、10~19歯220点、20歯以上400点14歯周治療用装置(冠形態) 1歯につき50点15機械的歯面清掃処置(歯清)(45頁参照)16歯肉剥離掻爬手術(FOp) 1歯につき630点17 歯周基本検査では、①1点以上の歯周ポケット測定、②歯の動揺検査を行って記録するのに対し、歯周精密検査は、①4点以上の歯周ポケット測定、②歯の動揺度検査、③プラークの付着状況の検査、④プロービング時の出血の有無を記録する。なお、2回目以降については、前回の検査より1か月以内の検査の場合、所定点数の50/100となる。 冠形態のものを連結してブリッジタイプの装置とした場合は、ポンティック部分は1歯につき50点算定できる。人工歯を使用した場合は人工歯料を算定できるが仮着セメント料は算定できない。 なお、歯周治療用装置は一連の歯周基本治療が終了し、歯周精密検査を行い、歯肉切除術、歯肉剥離搔爬術、歯周組織再生誘導手術を行う(行った)場合に算定できる。冠形態(1歯につき50点)のものと床形態(1装置につき750点)のものがあり、印象採得、咬合採得、装着、調整指導、修理、仮着セメント料等は所定点数に含まれる。床形態のものに付加した人工歯、鉤やバー等の費用は別途算定できる。 原則2か月に1回算定できる。 麻酔薬剤名と使用量、切開や縫合について、パックを使用した場合はその名前等を記載する。○○○○30  11  7クイント歯科医院東京都文京区本郷●-●-●TEL 00-0000-0000●●●●医療機関名(担当歯科医)ご質問がありましたら、いつでもお申し出ください○治療予定□むし歯(つめる・冠・根の治療)□歯肉炎・歯周病の治療□義歯・ブリッジ□その他(            )○生活習慣の改善に合わせて、 次のことに気をつけてください□喫煙  □食生活習慣□歯磨き   □回数       □時間       □用具(歯ブラシ・フロス・歯間ブラシ)       様平成   年   月   日歯と口の治療管理歯科疾患管理(   )本12345678ABCDE12345678ABCDE1122345678ABCDE345678ABCDE上下左右右上右下左下左上㈳日本歯科医師会・日本歯科医学会 監修○歯・歯肉の状態・検査結果             (改善傾向)□なし  □あり …… □なし  □あり …… □なし  □あり …… □なし  □あり …… □なし  □あり○冠、ブリッジ、義歯の状態□問題ありません□要改善歯周病の治療が一段落したら、右上のブリッジの治療をします。患者への提供文書は、使用する書面のフォーマットとともに、実際の診療時の参考にできるよう、具体的な記載例を赤字で記している

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