インプラント武者修行
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26を大いに励ましてくれるかたちとなりました。 この頃になってつくづく感じたことは、留学に行く日本人の中で語学に対するコンプレックスに圧し潰されて、本当に自分がしたいこと、自分が得意なことまで一緒に圧し潰してしまっていることが少なくないということです。私の場合は、幸いに周りの皆の気遣いに支えられて、私の得意なことや私の性質を表現できる機会をあえて作ってくれていたのだろうと思います。そうすることで仲間に入れてもらえていたと思います。本当に良い仲間たちでした。今から一五年前の私の留学時代の経験の一部ですが、少し大人になって振り返ると、器の大きなテイラー教授の下にいる人たちだから皆心温かかったのかもしれません。 私の留学期間中、フランチェスカとともに仲の良かったマイクがインプラントフェローの卒業を迎えました。私は補綴科全員が集まる卒業パーティにて、全ての医局員の診療中の写真を撮りためておき、音楽にのせたムービーを作成して、持参したプロジェクターとスピーカーで映写してみせました。その時の写真集は、卒業するマイクたち三名と医局員全員のためにCDに焼いて渡しました。 ムービーの上映中、皆互いに笑い、時に涙を流し、皆が一つになって肩を抱き合い、良い思い出作りができたのではないかと思います。パーティが終わって、外へ出ると、マイクが近づいてきて「ユキ、、。〇〇〇〇・・・・・」と何か言ってくれました。私は、にこやかに笑いながら、でも何を言われたのかわからなかったけれども、「イエ〜!!」と楽し

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