生体に優しい総義歯製作法
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276CHAPTER10治療用義歯を用いたダイナミックインプレッション 治療用義歯を用いたダイナミックインプレッションの手順は,①被圧変位量の調整(リリーフ)②辺縁形態・研磨面形態の決定③総義歯粘膜面全体のウォッシュである.Fig 33a,b 治療用義歯の製作過程で歪みを削除にて調整する(a).黄色の丸印は歪みの部位.調整後貧血帯が改善している(b).Fig 34a~c 上顎治療用義歯装着時の無加圧時(a)と加圧時(b)の比較.歪みとともに被圧変位をリリーフし被圧変位量の調整をすることで(c),基礎維持に加え,気圧差による陰圧維持を獲得し,治療用義歯の維持は増すことになる.Fig 34d,e dは下顎治療用義歯無圧時.患者は治療用義歯装着時より左側骨隆起部の違和感を訴えていた.その部位が白く貧血帯を呈していることがわかる.加圧することで左側骨隆起部の貧血帯がより明確となり,患者は痛みを訴えた(e).Fig 34f 加圧時に白く抜けた貧血帯に印をつけて削除し,過圧部位の調整をする.深水皓三先生よりご教示いただいた治療用義歯は,義歯床の一部分を透明なレジンで製作するため,被圧変位の調整が目視化で行える.1.被圧変位量の調整(リリーフ) 被圧変位量の調整(リリーフ)についてFig 33,34に示す.2.辺縁形態・研磨面形態の決定外側弁・フレンジ・辺縁形成 被圧変位量の調整後,外側弁・フレンジ・辺縁形成をする(Fig 35~41).調整後歪みと被圧変位量の調整aadbbec

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