*1Keunbada Son, MSDepartment of Dental Science, Graduate School, Kyungpook National University, Daegu, Republic of KoreaAdvanced Dental Device Development Institute (A3DI), Kyungpook National University, Daegu, Republic of Korea*2Kyu-Bok Lee, DDS, PhDAdvanced Dental Device Development Institute (A3DI), Kyungpook National University, Daegu, Republic of KoreaDepartment of Prosthodontics, School of Dentistry, Kyungpook National University, Daegu, Republic of Korea目的:本研究の目的は、4つのフィニッシュラインの条件(歯肉縁上、歯肉縁等高、歯肉縁下および圧排コードをともなった歯肉縁下)における歯のモデルの口腔内スキャンの精度を比較することである。材料と方法:臨床条件をシミュレートするために、支台歯をセラミック材料で製作した。透明な歯科矯正用シリコーンに色素を添加し、半透明の歯肉を製作した。CADリファレンスモデル(CRM)を接触型スキャナーで製作した。支台歯形成のフィニッシュラインは、歯肉縁下(歯肉のレベルより0.5mm下)、歯肉縁等高および歯肉縁上 (歯肉のレベルより0.5mm上)の位置に設定した。さらに歯肉縁下の歯肉溝に圧排コードを挿入した。2種類の口腔内スキャナー(IOSs)、i500(Medit)およびEZIS PO(DDS;各部位につき20回)を用いてCADテストモデル(CTM)を得た。CRMとCTMを重ね合わせ、3D分析ソフトウェアを用いて分析した。統計解析では、フィニッシュラインの位置による精度の比較を一元配置分散分析(α= 0.05)によって確認した。群間の差<翻訳>柏木宏介*1/鳥井克典*2/末瀬一彦*3(*1大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座 主任教授、*2大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座 講師、*3大阪歯科大学 客員教授)キーワード:フィニッシュライン、支台歯形成、口腔内スキャナー、精度はTukey HSD事後テストを用いて分析した。結果:支台歯形成のフィニッシュラインの位置によって、口腔内スキャンの精度に有意な差が認められた(P< 0.001)。歯肉縁等高と歯肉縁下のフィニッシュラインでは精度が低かった。圧排コードを使用することで、精度が大幅に向上した(P< 0.05)。2種類のIOS間には有意な差が認められ、i500はEZIS POよりも優れた精度を示した(P< 0.001)。結論:IOSで撮影した辺縁部の臨床的に許容できる精度(100μm以下)を得るには、歯肉縁上のフィニッシュライン、または歯肉縁下で歯肉圧排コードの使用が推奨される。 歯科用CAD/CAMシステムの導入によって、従来のアナログワークフローとは対照的にデジタルワークフローが容易になった1-5。最初のデジタルワークフローは、従来の印象採得と作業用模型の製作を部分的にデジタル化したものであった3、6。1980年代に口腔内ス37要約緒言支台歯形成のフィニッシュラインの位置が口腔内スキャナーの精度に及ぼす影響Keunbada Son*1/Kyu-Bok Lee*2支台歯形成のフィニッシュラインの位置が口腔内スキャナーの精度に及ぼす影響
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