顎変形症治療の基礎知識
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①8PART 1FIG 1 顎変形症(上下顎間関係の著しい不調和)の模式図.上顎前突症下顎後退症開咬をともなう下顎前突症開咬をともなう下顎後退症顎変形症は,上顎骨ならびに下顎骨あるいはそれら両者の大きさや形態,位置などの異常や上下顎間関係の異常などによって,顎顔面の形態的異常と咬合の異常をきたし,美的不調和を示すものと定義され,先天的および後天的要因によって起こるすべての顎顔面形態異常を指す(FIG 1).顎骨変形の部位や上下顎骨の前後的,垂直的あるいは水平的位置関係から,下顎前突症,下顎後退上顎後退症下顎前突症症,上顎前突症,上顎後退症,顔面非対称,開咬症などに分類されるが,これらはしばしば複合してみられる.また,顎変形症患者では,咬合異常にともなう咀嚼や嚥下,発音などの顎口腔機能に障害が認められ,顎骨の変形にともなう美的不調和から心理社会的障害を呈することがある.(骨格性)開咬症前後的不調和垂直的不調和顔面非対称複合症例顎変形症の定義顎変形症とは

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