SAFE Troubleshooting Guide Volume 3 外科的合併症編
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2章 インプラント埋入のトラブルインプラント埋入時の顎骨内沈下2-1機械・構造的合併症補綴的・技工的合併症生物学的合併症外科的合併症審美的合併症患者由来性合併症Factor(①外科的な侵襲、②高度な知識・技術、③長期的な治療期間、④高額な治療費)1トラブルおよび問題提起(マテリアル)Level Ⅵ 専門機関への依頼を要するLevel Ⅴ ①~④の4つを要するLevel Ⅳ ①~④の3つを要するLevel Ⅲ ①~④の2つを要するLevel Ⅱ ①~④の1つを要するLevel Ⅰ ①~④を特に要さないLevel Ⅵ 専門機関への依頼を要するLevel Ⅴ ①~④の4つを要するLevel Ⅳ ①~④の3つを要するLevel Ⅲ ①~④の2つを要するLevel Ⅱ ①~④の1つを要するLevel Ⅰ ①~④を特に要さない臨床的骨質不良トラブル 患者は70歳女性で、₅~₇欠損部に対しインプラントによる補綴治療を希望した。全身状態に大きな問題はない。術前のパノラマならびにCT診査において欠損部顎堤には十分な骨量が存在するため、患者と相談の上、3本のインプラント埋入を行う計画とした(図1-a~d)。 欠損部顎堤には角化粘膜も豊富に残存していたため、歯槽頂切開を加え粘膜弁を剥離し骨面を露出させたのち、通常の埋入プロトコルに従って処置を進めた(図1-e)。埋入窩の形成が終了したのち、インプラントを近心から順に埋入していったが、₇埋入時にインプラントが落ち込んでしまった。具体的には、₆₇はワイド径のインプラントを埋入し、₇で図1-b~d 当時のフィルムによる診断。遠心から見た頬舌側CT断面を示す。骨幅は、₅は広くはないがある程度認められ、₆₇は十分な骨幅。下顎管までの距離もすべての部位で十分ある。図1-a 術前のパノラマX線写真。下顎左側臼歯欠損部にはインプラント埋入に十分な骨量があることが予想される。a図1-f 近心よりインプラントを埋入し、₇部インプラントを埋入すると、形成窩骨縁から約6mm下まで落ち込んでしまった。図1-e 通常プロトコルに従いインプラント窩を形成し、方向指示棒で方向を確認した。efbcdBu₅₆₇BuBu56SAFE(Sharing All Failed Experiences) Troubleshooting Guide Volume3 外科的合併症編

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