臨床家のための矯正 YEARBOOK 2017
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図2 成長期における開咬の原因.図3 成長期の開咬発症にかかわる要素.吸指癖舌習癖口呼吸筋ジストロフィー,リンパ管腫 etc.巨大舌下方への顎発育パタン進行性下顎頭吸収おしゃぶりの常用硬組織軟組織習癖開咬上顎下顎口蓋扁桃舌・前歯の低位・前歯の唇側傾斜・臼歯の高位歯系・下顎角,下顎下縁平面角の開大・下顎枝の短小化・前下顔面高の増大骨格系・口唇閉鎖不全・舌の位置や大きさの異常・扁桃肥大軟組織系・舌習癖(弄舌癖,舌突出癖)・吸指癖機能系013臨床家のための矯正YEARBOOK 2017成長期の開咬─その原因と治療法度は被験者全体の0.5%という結果が得られた6.なお,これらの発症頻度の違いは,被験者の人種,年齢,また開咬の判断基準の違いが影響している可能性が考えられる. 開咬患者の顎態の特徴として,骨格系においては下顎角,下顎下縁平面角および咬合平面傾斜角の開大,前顔面高(とくに前下顔面高)の増大,後顔面高の減少などが報告されている7.また,若年性関節リウマチによる進行性下顎頭吸収によって開咬が惹起される可能性も指摘されている8.一方,歯系においては,前歯の低位,臼歯の高位がしばしば認められる.口腔周囲軟組織系においては,口唇閉鎖不全,扁桃肥大,閉塞性睡眠時無呼吸症候群との関連性が報告されている9.さらに,重篤な筋力低下を

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