筒井式フローチャートで症例の難易度がわかるスプリントに強くなろう!
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3 改良アムステルダム型正中ミニスプリント アムステルダム型スプリントの臼歯部をなくして上顎犬歯の遠心のボールクラスプで維持する.下顎前歯の接触はアムステルダム型スプリントと同じ.上顎の臼歯部を挺出させてもよい場合に用いる.小さいために装着感が良く日中も使えることが多い.クレンチング防止の効果も期待できるが上顎の臼歯を挺出させたくない場合には使えない.口蓋の支持が狭いので,沈み込みやすく,上顎前突には使わないほうが良い. 矯正時に歯の移動につれて咬頭嵌合が強くて顎位が偏位することがあるが,マルチブラケットで前歯部をレベリングした後,この正中ミニスプリントを用いると咬頭嵌合が外れて歯が動きやすく,歯の移動による顎位の偏位も起こりにくい.したがって歯も早く動く利点がある.ボールクラスプを使うのは条件がある(4章)ので,犬歯の遠心に入れられなければ側切歯の遠心や小臼歯の間に入れることもある.前歯テーブルを調整した正中ミニスプリント.口蓋を長めに作っていたほうが安全.マルチブラケットとの併用.前歯のレベリングが終わったらミニスプリントを使っていることが多い.被蓋が深かったので正中ミニスプリントを長期使用している.歯肉の退縮があるのでボールクラスプの位置を深く入れないよう気をつけること,長期使用するときは下顎前歯の咬耗,圧下,外傷,開咬など起こっていないか気をつけること.108

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