臨床で困らない歯内療法の基礎
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治療のStep-by-Stepで理解する! 臨床で困らない歯内療法の基礎1)二等分法と平行法根尖撮影法図2-4a,b 卒前教育でデンタルエックス線写真撮影は,二等分法と平行法を習う.IPを歯冠に接触するように指で押さえて位置づけをすると,位置づけのための特別な器具が必要ない反面,IPの位置がよくわからないので,管球の位置付けが不正確になる.頬骨弓が歯根と重なったり,頬側根が短縮化したりして読影が困難になる.他部位の撮影ではそれほど問題はないが,上顎大臼歯ではエンドには致命的である.aがその典型例で,管球を上方に振りすぎたために,照射されたエックス線が頬骨弓を通って生じた現象である.上顎大臼歯では口蓋根と頬側根の軸が乖離しているために,どの根にもちょうどよい歯軸を設定することができない.bのような位置づけだと,口蓋根に対する平行法になっている.図2-5a,b 撮影補助器具を使用して撮影されたデンタルエックス線写真(a).撮影補助器具を使用するとIPは歯冠から離れて位置づけできる(b).また,管球が水平になるので,エックス線は頬骨弓を通らないためその重なりはなくなり,頬側根が長く写り,上顎大臼歯でも観察しやすい.さらに,器具には管球を位置づけする目安となるリングがついているので,正しい管球の位置を決定しやすい.abab36

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