インプラントYEAR BOOK 2017
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デンツプライシロナ株式会社らアバットメント強度を自動算出し,強度不足では設計できないようになっている.そして万が一破折をした際,今まではアバットメントの破折=上部補綴の再製作であったが,同じアバットメントのオーダーで済むというCAD/CAMの利点もある.埋入位置を確実にするSIMPLANT®を利用したGuided Surgery for ANKYLOS® CT画像を利用した埋入位置の決定はもはや常識となっているが,埋入窩の形成だけではなくガイドを利用したインプラント埋入システムはまだ少ないと思われる.ANKYLOS®インプラントには,埋入深度までコントロールができるセーフガイドが用意されている.これにより,安心で確実な埋入方向と位置を確保することができる.また,ガイド使用時のドリルとスリーブのブレは,術者が不安になる一要素である.このシステムではスリーブオンドリル機構を用い,ドリリング時のブレを減らすシステムとなっている.また,一方の手でドリルキーを持つ必要がなく,ドリリングに専念できることは,手術時の負担軽減につながっている.まとめ ANKYLOS®インプラントのもう1つの魅力は,企業力の恩恵で最新デジタルテクノジーをいち早く採用できている点である.診断・ガイドを利用したインプラント埋入,また強度を備え安定した周囲組織を創造するためのアバットメント設計などであり,近いうちにアバットメントの製作段階で仮歯や最終補綴物の同時製作まで可能となる. 今後オーラルスキャナーの発展で,これらが模型に頼らずデジタルデータでできるとなると,われわれ術者・患者双方の福音となることは言うまでもない.図13a,b サルカスフォーマー・コンパクトは,歯肉貫通部の最大径で3.2mmと唇側周囲粘膜の厚みを維持するのに最適である.補綴時に少しでも厚い歯肉を使い,スカルプティングを行うために必要と考えている.図14 骨縁下埋入でヒーリングキャップが骨に干渉した場合,骨の切削が必要となる.接合部で直径2.4mmで骨縁下埋入した周囲骨に接触しないスリムな形態である.図15 ATLANTISTMで強度も鑑み形態を決定する.図16 唇側周囲組織の厚みを高さと幅約1:1.5の比で補綴物を製作.図17 最終補綴物装着後の口腔内.ab204Clinical Report

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