インプラントYEAR BOOK 2017
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アンキロスインプラントシステムアンキロスインプラントシステムClinical Report低侵襲な審美修復を可能にするANKYLOS®インプラントと最新デジタルシステム若井広明(Wakai, Hiroaki)(東京都江東区開業:若井歯科医院)所属・役職日本大学松戸歯学部非常勤講師,一般社団法人日本インプラント臨床研究会・学術委員長,公益社団法人日本口腔インプラント学会専門医・代議員,アジア口腔インプラント学会理事,OJ正会員,一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会オピニオンメンバーはじめに 現在,インプラント治療は日常臨床に欠かせない補綴手段の1つになった.しかし,日々進化するインプラントを用いた補綴方法に対して,われわれ歯科医師はどのインプラントシステムを使用し,その利点を活かすべきかに苦慮するところである. 今回紹介するANKYLOS®インプラントは,現在の主流になってきたテーパー接合をもつインプラントの先駆的役割を果たしている.その接合部の利点は,他のメーカーの接合部での利点の証明にも利用されるに至っている(図1). またインプラント修復後に,患者の訴えが時に変化していくことは経験するところである.歯があることが日常化してくるとフードインパクションの改善,審美性の改善,周囲組織の変化によるさまざまな問題に続く場合もある.われわれはこれらの問題に対して,最初の修復の段階で可及的に満足度の高い到達点へ導いていく必要がある.そこで重要となるのが審美性,周囲組織安定性に長けたインプラントシステムである. そこで今回ANKYLOS®インプラントの利点を活用し,できるだけ侵襲の少ない方法で審美性と周囲組織の安定性を加味した補綴製作手順について症例とともに紹介する.図1 ANKYLOS®インプラントの接合部は,6°テーパーで内部にもバットジョイントをもたない構造になっている.また,プラットフォームスイッチにより,インプラント上面にも硬組織が誘導されていることがわかる1).201201

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