お母さんたちに伝えたい!歯並びの良い子に育てよう
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 口唇が開いたままでは,正しい舌の位置,正しい飲み込み方の習得が難しいことを前項で記しましたが,ほかにもさまざまな問題を生じます. 一つひとつ説明していきます.これらの問題から口唇閉鎖ができていないことを確認することもできます.1歯肉炎:口唇が開いている部分だけ,赤く,腫れぼったくなっています.奥歯の歯肉はピンク色で引き締まっているのと比較すると,一目瞭然にその差がわかります(図7-1).2むし歯:前歯にむし歯がたくさんできる場合には,口唇閉鎖不全が原因であることを疑います.唾液が乾燥して,唾液のむし歯予防作用が働かないために,前歯にだけむし歯ができてしまうのです(図7-2).3歯の着色:前歯の一部に着色がある場合,口唇閉口唇閉鎖不全は,ほかにもこんな問題がその5鎖ができていないと考えます.湯呑茶碗でお茶を飲んだ後,さっとゆすぐだけで湯呑茶碗はきれいになるのに対し,一晩放置した場合には,しっかりこすらなければお茶の痕が残るのと同じです.口唇閉鎖ができていないと,歯の表面が乾燥し湯呑茶碗のように着色してしまうのです(図7-3).4口唇の荒れ:口唇閉鎖ができていない子どもの口唇はカサカサして荒れています.冬場にとくにひどくなります(図7-4).5鼻づまり:鼻に新鮮な空気が送り込まれないと鼻の粘膜が厚くなり,より一層鼻づまりが悪化します.6上気道感染:鼻腔を介さず,口から直接細菌を吸い込むので,感染しやすくなるのは当然です.7相手に与える印象が悪くなる:子どもたちには,「口唇を閉じるだけで,勉強しなくても賢く見えるよ! 得だよ!」とプラス思考で教えます.図7 口唇を開いていると,ほかにもこんな問題が.3歯の着色 4口唇の荒れ2むし歯a赤く腫れた部分  b白くひきしまった部分        ba1歯肉炎abb14

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