お母さんたちに伝えたい!歯並びの良い子に育てよう
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 しっかり噛むことと食事中の飲み物には密接な関係があります. 「食事中に,食卓に飲み物を置いていませんか?」と尋ねると,「お茶を置いていますが,それが何か…?」と不思議そうな顔をするお母さん方が結構おられます.食事中に飲み物があると,あまり噛まずに流し込んでしまう癖がついてしまいやすいのです.「そう言われてみると,頻繁にお茶を飲んでいます.あまり噛んでいないようです」と驚かれます. 歯並びから少し外れますが,ほかにも紹介しておきたいメリットが細菌の繁殖を抑える作用です.唾液中には,免疫物質や抗菌物質が含まれており,食べ物に病原菌が存在した場合でも,しっかり噛むことで,感染を食い止めることができるのです. 太平洋戦争終結直後,劣悪な衛生環境の収容所で,帰国を待つ兵士たちの間にコレラが蔓延しそうになったことがあったそうです.その際,ある軍医が「食事はよく噛んで食べ,食後20分間は水分を摂らない」ことを提唱,全員が守り抜いた結果,全員無事に帰国できたそうです.唾液としっかり噛むことが,感染から兵士を守った例とされています. 万が一,学校給食に0-157が入り込んだとしても,よく噛めば,感染を防げる可能性もあるのです.日頃からよく噛んで食べる習慣のある子どもと,飲み物で流し込んで食べている子どもとでは,感染の状況が異なるかもしれません. ほかにも,しっかり噛んで食べることでメタボリックシンドロームが改善される,脳の働きが活性化される,精神を安定させるといった報告もあります.食事中の飲み物をやめ,しっかり噛み,唾液の作用を十分に生かす食事をしましょう.4足がきちんと床(または台)につくように 2,3歳ぐらいまでは,子ども用のチェアを利用していても,それ以上の年齢になると大人と同じ椅子に座り,足が宙ぶらりんの状態で食事をしている子どもが多いのではないでしょうか? お年寄りの食事を介護する場合にもよく言われることですが,足をしっかり床につけて,姿勢よく食べることが大切です.足が届かない場合には,足置きの台を用意してあげましょう.5口唇をしっかり閉じて食べているかどうかもチェックしよう 「よくこぼす」「口唇の周りに食べかすがついてしまう」のは危険サインです.口呼吸の子どもは食べ3飲み物は置かずに自分の唾液で4足がきちんと床(台)につくように5口唇をしっかり閉じて6両側の奥歯で噛んで23

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