インプラントオーバーデンチャーの臨床とエビデンスQ&A
3/6

164164各種アタッチメントの利点・欠点,動きの許容性,維持力特性,使用上ならびにメインテナンス時の注意点を理解しておくA.Q.40IODに利用できるアタッチメントの種類 IODに利用できるアタッチメントには,以下に示す各種のものがある.①スタッドアタッチメント(ボールアタッチメント).② アンカーアタッチメント(ロケーターアタッチメントなど).③磁性アタッチメント.④バーアタッチメント.⑤テレスコープアタッチメント.⑥そのほか(リーゲルなど). これらの選択,使用の際には,その特性,利点・欠点,動きの許容性,維持力特性,使用上ならびにメインテナンス時の注意点を十分に理解しておく必要がある.スタッドアタッチメント(ボールアタッチメント:Dalro,O-ringなど)利点と欠点:インプラント上にアバットメントとして直接固定する場合,あるいはバー上にろう着する場合がある.この場合,高径があるため把持効果も期待できるが,着力点が高くなることと大きなスペースが必要になる.動きの許容性:単独で使用した場合には,360°の回転許容性があり,ボールのトップとハウジングとの間にスペースがある場合には沈下にも許容性がある(図1).維持力の大きさとその調整法:維持力の大きさは2-14Nと幅広い.フィメールが金属製のキャップ状の場合にはスリット部の幅を変えることで調整でき,スリットを狭くすると大きくなる.O-ringの場合には,硬いゴムリングを用いると大きくなる.使用上の注意:2本以上で使用する場合には,回転軸が生じるので平行に使用する必要がある(図2).また,3本以上使用する場合には,回転軸が複数形成され,これにより回転が相殺されることで固定効果を生む可能性がある.メインテナンス時の注意:フィメールの金属の摩耗,ゴムリングの摩耗,さらにはメール部表面の摩耗が生じていないかを確認する.その際は,傾斜によるものか,義歯の不適合から生じた回転沈下によるものかなどの原因を調べて対応する必要がある.この場合,パーツの交換のみでなくリラインも行う.アンカーアタッチメント(ロケーターアタッチメントなど)利点と欠点:インプラント上にアバットメントとして直接固定する場合,あるいはバー上にろう着するインプラントオーバーデンチャーのアタッチメント選択に際して何を知っておくべきか?6章 維持装置

元のページ 

page 3

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です