今さら聞けない歯科用CBCTとCTの読像法
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今さら聞けない歯科用CBCTとCTの読像法■う蝕が認められないパノラマエックス線画像かなlowdensityareaを認めることができます. これはう蝕による歯質の脱灰によってエックス線の吸収率が低下したことを意味しています.歯科用CBCT画像では多断面での観察が可能ですから,う蝕による実質欠損がどの範囲まで及んでいるかを容易に診断できるのです. 図4-3は上顎右側小臼歯部の冷水痛を主訴に来院した11歳男児のパノラマエックス線画像です.このパノラマエックス線画像からは,上顎右側小臼歯の隣接面は叢生のため不明瞭であり,明らかな異常は指摘できません.しかし図4-4に示した歯科用CBCT画像からは上顎右側第一および第二小臼歯の隣接面にう蝕によるlowdensityareaを認めることができます. このようにパノラマエックス線画像は断層域から外れた場合や歯列不正がみられる場合のう蝕の検出は非常に困難ですが,歯科用CBCT画像は三次元的に観察できるため病変の検出が容易なのです.図4-3 上顎右側第一,第二小臼歯におけるう蝕のパノラマエックス線画像.このパノラマエックス線画像からは上顎右側第一,第二小臼歯に明らかな異常は認めない.abcdef■Low density areaを認めた歯科用CBCT画像図4-4a~f 図4-3と同じ患者の歯科用CBCT画像.a:上顎歯冠レベルのaxial像.b:上顎小臼歯レベルのcoronal像.c:上顎小臼歯部のpanorama像.d~f:a~cの解剖図.歯科用CBCT画像からは上顎右側第一,第二小臼歯隣接面にう蝕によるlowdensityareaを認める(矢頭).67

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