わかりやすいイラスト口腔外科小手術
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81舌小帯の付着異常図4-5a 舌尖部に5号絹糸を通すと,舌を把持し上方へ牽引しやすくなり,舌小帯が明視しやすくなる.図4-5c 小帯を切除すると,同部には菱形の創面ができる.図4-5b モスキート鉗子を小帯切離予定部に挟み.#11尖刃刀や剥離剪刃を用いて鉗子の上面を滑らせて切開する.舌小帯切除術●術式①開口器を装着して浸潤麻酔を行う.②舌尖部および小帯付着部に表面麻酔後,通法にしたがって浸潤麻酔を行う.術中の麻酔液の追加は吸収が悪く効果が少ない.麻酔後は5分間ほど待ってから手術をはじめると,ほとんど出血がみられない.乳幼児では全身麻酔下で手術を行う.③舌尖部に5号絹糸を通しておくと舌を上方に牽引する操作が簡単になり,舌小帯が明視しやすくなる(図4-5a).④開口器を装着させて,無理のない開口状態を保たせる.開口器は片側用の万能開口器などがいい.舌尖部の絹糸は助手に持たせて牽引させる.助手のもう一方の手は吸引管を操作させる.⑤モスキート鉗子を小帯部に挿入し,切離予定部に挟み込む.⑥#15円刃刀や剥離剪刀や#11尖刃刀の刃先を鉗子の上面に滑らせて切開を行う(図4-5b).⑦鉗子の下面の口腔底部も同じく小帯を切除すると,同部には菱形の創面ができる(図4-5c).切開後,舌を前方および上方へ運動させてみて十分でなければ,舌筋層近くまで切離して,粘膜下を剥離剪刀(メッツェンバーム)を用いて創の両側約1cmをアンダーマイン(粘膜下剥離)する.

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