わかりやすいイラスト口腔外科小手術
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80CHAPTER4 小帯付着異常に対する手術 開口器は片側用の万能開口器などがよい.③舌尖部の絹糸は助手に持たせて牽引させる.④舌を上方に牽引して緊張した舌小帯の中央で,尖刃刀により小帯を水平に切離する.切開線の位置は唾液の排泄管の開口部を避け,舌下ヒダの部分にかからないようにする(図4-4b).⑤舌小帯を切離すると,同部には菱形の創面ができる(図4-4c).⑥切開後,舌を前方に引っ張り出し,十分に突出しなければ舌筋層近くまで剥離する.⑦縫合は菱形になった創面の中央部の広いところより5‐0ナイロン糸にて縫合をはじめる.縫合の際,唾液腺排泄管を一緒に縫合しないように気をつける(図4-4d).⑧縫合終了後に止血を確認し,舌運動に問題がなければ,舌尖部の絹糸を除去する.術直後には舌尖が拳上できるようになる.術後4~5日目で抜糸する.図4-4a 舌尖部に5号絹糸を通すと,舌を把持し上方へ牽引しやすくなり,舌小帯が明視しやすくなる.図4-4b 舌を上方に牽引し,尖刃刀で小帯を水平に切離する.切開線の位置は唾液の排泄管の開口部を避け,舌下ヒダの部分にかからないようにする.図4-4c 舌小帯を切離すると,菱形の創面ができる.図4-4d 5‐0ナイロン糸を用いて①→②→③の順で縫合する.唾液腺排泄管を一緒に縫合しないように気をつける.②①③

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