わかりやすいイラスト口腔外科小手術
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41軟組織損傷の処置 創を一次的に縫合閉鎖できる時間は一般には受傷後8~12時間以内とされているが,きれいな切創は受傷後24時間くらいまで一次的に閉鎖可能といわれている.破傷風の予防 最近の外傷では少ないが汚い泥が創に入っている場合などは,予防注射がいつされたかを確かめ創の状態により判断してトキソイドや抗グロブリン製剤,抗血清を用いる必要がある.口唇部裂傷の処置審美的縫合 下唇裂傷では,4‐0絹糸あるいは6‐0ナイロン糸で縫合する(図2-14a). 上唇部皮膚裂傷では,赤唇縁を完全に一致させて縫合しないと後で醜形を残すことになる.(図2-14b) 顔面皮膚の縫合は,審美性を重視して5‐0または6‐0の針付ナイロン糸を用いるとよい.針の刺入部位は創縁から2~3mm,縫合の間隔は4~5mm程度とする(図2-14c).図2-14a 下唇裂傷.図2-14b 上唇部皮膚裂傷. 図2-14c 裂傷部を縫合閉鎖する.

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