臨床家のための矯正 YEARBOOK 2016
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aabb図25a, b 上下口唇の著しい前突感,オトガイ部の緊張が消失し,バランスの良いプロファイルになっていた.図26a, b 初診時の著しいガミースマイルがまったく消失し,別人のようなすばらしいスマイルに改善された.治療前治療前治療後治療後109臨床家のための矯正YEARBOOK 2016株式会社ASOインターナショナル下顎歯列のリトラクションは終了しており,0.018”×0.025” NiTiによりボーイングエフェクトが改善されたのであろう.通常はボーイングエフェクトが起こらないように,アンチボーイングベンドを付与するが,ハーモニー症例ではこのベンドは一切使わず治療を行っている.その結果この程度のボーイングエフェクトしか起こらなかったことは,ハーモニーでのボーイングエフェクトの起きにくさを示唆するものであろう.まとめ ハーモニーシステムは,ディジタルシステムによる治療精度の向上につながる利点を備えており,また,抜歯治療でのボーイングエフェクトの発現が少ないことも示唆された.さらに,難治性の成人上下顎前突の治療にも歯科矯正用アンカースクリューを用いることによって,前歯の圧下,後退が非常に効果的に治療できることも確かめられた.

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