臨床家のための矯正 YEARBOOK 2016
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図6a~f 初診時CRマウント模型.図2a~c 初診時,顔面.図5 初診時パノラマエックス線写真.図3a~e 口腔内写真.図4 初診時側貌セファロ.図7 初診時のCPI.aeabccabfbcdde073臨床家のための矯正YEARBOOK 2016McLaughlinシステムを用いて治療した,著しい上顎前歯の突出を認めるAngle Ⅱ級1類症例められた.下顎の後退感が認められた.安静時には,口唇閉鎖困難が認められ,下唇の翻転が認められた.正貌所見からは非対称性は認められないが,ガミースマイルが認められた.大臼歯関係フルクラスII,Overjet:11mm,Overbite:5mm,Upper ALD:-2 mm,Lower ALD:-7mm,上下歯列正中は一致,44はシザーズバイト.上下顎歯列形態ともにテーパー型であると判断した(図2, 3).垂直的には短顔型を示し,下顎骨は後退した位置にあり,相対的に骨格性上顎前突であることがわかる.上下顎前歯ともに唇側傾斜し,とくに上顎前歯は著しく唇側傾斜し,突出している.下顎歯列ではSpeeの湾曲が認められ,最深部では-2.0mm であった(図4~8).ANBの値から上下顎骨の前後的ずれの量が多く,下顎骨に対して上顎骨が突出していることがわかる.

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