正しいカルテ記載 マスターガイド 2016年改訂対応版
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2016年改定対応版刊行にあたって 2011年に正しいカルテ記載をめざして、その手引書として初版を発刊してから早5年が過ぎました。その間にも医療過誤による訴訟件数の増大、医療費削減による医療収入の減少等、医療を取り巻く環境は、ますます悪化してきています。さらに患者さんからのカルテ開示やレセプト開示請求も多くなり、その結果として行政による保険医に対する個別指導、監査が増加しています。しかも新規個別指導から再指導や個別指導へ移行するケースも見受けられるようになりました。それらから自分自身を守るためにも、正確で詳細なカルテ記載が、以前にも増して求められています。 そこで本書では、主に研修医および卒後数年以内の若手歯科医師やこれから開業を考えている先生を対象に、実際の保険診療に沿った、わかりやすいカルテ記載の手引書をめざしています。 また2016年版では、巻頭に「押さえておきたい保険医療機関への指導に関する正しい知識」と題して特集を組みました。これによって行政が実施する指導等の正しい知識を得て、万が一の事態となっても慌てることなく対処していただくことを願っています。 本書の特徴として次の点が挙げられます。◦❶保険制度をわかりやすく解説しています。◦❷保険医の責務と禁止事項について簡潔に記載しています。◦❸カルテの記載事項について詳細に解説しています。◦❹症例別に初診からのカルテ記載を、実症例に沿って記載しています。◦❺処方せんや技工指示書、患者への交付文書の例を掲載しています。◦❻歯科医師として最低限知っておくべき法令集も掲載しています。このように、カルテ記載に関する基礎知識は十分にカバーしている内容となっています。また、本書のカルテ記載事項については、行政による指導の場において、しばしば保険医に対して指摘される事項も網羅していますので、ベテランの先生方にも参考になることと思います。 さらに平成28年4月の診療報酬改定にあわせて改定事項や保険点数を修正しています。 なお、本書はクインテッセンス出版発行の『歯科保険請求』(通称「青本」)の姉妹書として発刊しました。詳細な個別症例や保険請求については、そちらも併せてご活用ください。 最後に、この本が先生方の日常診療における一助になることが出来れば幸いです。2016年6月 編集委員を代表して 小笠原浩一

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