マイクロデンティストリー YEARBOOK 2015/2016
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47面だが,上顎側切歯には斜切痕が約40%の確率で発生する2.ただやみくもにマイクロスコープを覗くよりも,知識をたくさん持つことにより,ここに付いていそうだと予測ができ,マイクロスコープをより活かすことができるのではないかと考える(図6). そして次に必要になるのは,探知するための研ぎ澄まされた手指の感覚である.エキスプローラーでプラークの下の引っ掛かりを探知する(図7).超音波スケーラーを使用してプラークを除去する(図8).そうするとわずかではあるが,黒い縁下歯石を顕微鏡下で視野にとらえることができるのである(図9).視覚にて歯石が沈着している量や場所を把握し,触覚により歯石の凹凸や固さなどを感じ取りながら,歯肉や歯根面を傷つけないように慎重に除去していaabbcc図4 ₄の近心根面溝(抜去歯).マイクロスコープで拡大して見えるのは歯石だけではない.歯面にブレードが正しい角度で当たっているのかも確認できる.抜去歯を拡大して見てみるのも良い勉強になる.図5a この状態では見ようと着目しないと見過ごしてしまう.図5b 拡大率を上げ,見てみる.図5c 着目し,拡大して見てみると舌盲孔があることがわかった.図6a この状態では,プラークがありそうだということくらいしかわからない.図6b プラークの存在を確認.図6c 多量のプラークがポケット内に存在することを確認できる.同時にその下に歯石が沈着していることを疑うことができる.別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2015/2016」拡大することで基礎を振り返る

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