学病院保存科には6台のマイクロスコープが設置されており,附属歯科衛生専門学生には日頃の臨床実習でマイクロスコープのアシスタントも行っている. そのなかで,3年生では応用として,マイクロスコープがどのような機器なのか知ってもらうために,実際に触れて覗いてもらう体験実習時間を設けてマイクロスコープに関する指導を行っている.①マイクロスコープとルーペの違いについて(図1) 診療の際に術野を拡大する機器としてマイクロスコープとルーペ等の拡大システムがあるが,その違いについて説明する.②マイクロスコープの使用手順 マイクロスコープの構造,操作方法,視度調整,瞳孔間距離設定について説明しながらデモを行い,実習させる.③拡大された画像を見る(図2) 対象物に合わせた画像を,低い倍率から高い倍率まで徐々に上げていくとどのように見えるのかを,モニターを通して確認する.最初の低倍率の画像に比べ,高倍率の画像はどこを対象物としているかわからなくなるほど大きく拡大され,細かい模様まで見えるようになる.学生同士のマイクロスコープの相互実習 実際に相互実習を行い,マイクロスコープを使用して口腔内を観察する.対象物にピントを合わせる難しさや,探針操作,ミラーテクニックの難しさを体験する.実際に学生が行った時の体験談やアドバイスを紹介する(図3).①瞳孔間の距離設定を行う 対象物にフォーカスを合わせ,瞳孔間距離設定を行う.慣れていないと大変時間がかかり,視野が黒く見えたり,なかなか1つの円に画像が覗けない学図2 対象物に合わせた画像に対し,倍率を上げて見え方の違いを確認する.3倍13倍20倍5倍8倍拡大された画像を見てもらう別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2015/2016」拡大した世界を知る41
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