改訂新版 歯科インプラント治療ガイドブック
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SECTION 2 各論 7手術 5.コンピュータ支援手術109コンピュータ支援手術の必要性 インプラント体埋入手術において,埋入窩を正確に形成し,治療計画に沿った位置・方向にインプラント体を埋入することは,歯科インプラント治療の成否にかかわる重大な因子となる.インプラント体の埋入位置が不良であった場合には,上部構造の審美的または機能的な回復が十分に行えない原因となる(図1).また,インプラント体の埋入位置が近接しすぎると,インプラント体周囲骨の吸収を引き起こすことがあり,位置不良による清掃性の不良はインプラント周囲炎の原因となる(図2).さらに,不正確なドリルの操作による埋入窩の形成は,インプラント体の埋入位置不良という問題を引き起こすだけでなく,重大なトラブルの原因となる.もっとも頻度の高い問題の1つは,下顎神経の損傷による知覚異常である(図3).また,下顎のドリリングの際に舌側にパーフォレーションし,口腔底の血管を損傷して口腔底部の組織内に出血を起こした場合には,窒息の原因となって患者の生命を脅かすトラブルとなる(図4).こうしたトラブルを避けるためにも,図1a,b インプラント体埋入位置不良による審美不良例.図2a,b インプラント体埋入位置不良によって清掃が困難となった症例.図3 下顎管に近接したインプラント体.図4a,b 舌下動脈損傷が原因と思われる口腔底出血.コンピュータ支援手術5(城戸寛史)2a2b4a4b1a1b

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