口腔ケア 歯科衛生士の役割を問う
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46定説となり、コステン症候群として医学辞典にも掲載されています。この位置は上顎の側切歯、胸椎でいえば2番に相当します。 歯の咬み合わせは、普通考えられている以上に、私たちの健康状態に大きな影響を及ぼします。 噛むという動作には、非常に多くの筋肉が関わっています。 咀嚼筋の中の咬筋のほかにも、多くの筋肉が関係しています。それらの筋肉は口の中だけではなく首などとも連動しています。咬み合わせが悪く、歯を咬み合わせる筋肉が偏って緊張し顎の位置に左右差や狂いが生じると、首周りの筋肉群も過度に偏って緊張します。そうして頸部の血行不全が生じ、さまざまな不定愁訴の原因となるのです。頸椎の1~6番には、脳に血液を送っている頸椎動脈が通っています。ここの筋肉に緊張や歪みが生じると頸椎同士がねじれた位置になり、血管が圧迫され、脳に血液が送られにくくなります。 そうなると身体はそれに対して血圧をあげて十分な量の血液を送ろうと頑張ります。ですから、血管の歪みや圧迫を取り除かない限り、簡単に血圧は下がらないのです。同様に、それらの歪みは頸椎から出ている神経も圧迫するので、手足に痺れを起こしたり、自律神経の働きを乱したりするのです。これらの要因が重なって、血圧にさらに悪い影響が及ぶことになるのでしょう2、3。頸椎1番胸椎2番胸椎3番胸椎4番胸椎5番胸椎6番胸椎7番胸椎8番胸椎9番胸椎10番胸椎11番胸椎12番腰椎1番腰椎2番腰椎3番腰椎4番腰椎5番1122334455678678上の歯下の歯図5-1 アプライド・キネシオロジー(ジョージ・グッドハート)、脊椎と歯の関係より。

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