ペリオのための重要16キーワード
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講演や雑誌でよく見る、ペリオの分類および文献1PageとSchroederの歯肉炎および歯周炎の発症と進行Introduction出典 Page RC, Schroeder HE. Pathogenesis of inflammatory periodontal disease. A summary of current work. Lab Invest 1976; 34(3): 235-249.A.正常な歯周組織:歯周組織は歯肉、セメント質、歯根膜および歯槽骨で構成される。接合上皮に上皮脚は形成されず、多形核白血球のわずかな浸潤と少量の歯肉溝滲出液(GCF)を認める。B.初期病変、早期病変(歯肉炎):プラーク沈着2~4日以内に初期病変が生じ、接合上皮の側方増殖、GCFの増加、好中球の遊走が起こる。続いて4~10日後、早期病変へと移行し、上皮下結合組織内での著しい血管炎、血漿タンパクの滲出、リンパ球および他の単核球浸潤、線維芽細胞の病理学的変化、少量の形質細胞の遊走を認めるようになる。C.確立期病変(歯肉炎):接合上皮の側方増殖および炎症巣の拡大にともない、仮性ポケットが形成される。アタッチメントロスは生じていない。GCFは増加し、免疫グロブリンが多くみられ、形質細胞が優勢となる。この状態が数年間あるいは数十年維持されることもある。D.進行期病変(歯周炎):炎症は歯根膜、歯槽骨へと及び、結合組織性付着の喪失をきたす。ポケット上皮の根尖側増殖および真性ポケットの形成、ポケット上皮の潰瘍化が生じる。GCFは多量となり、形質細胞を中心とした炎症巣はさらに深部へと拡大する。歯周炎は、活動期と緩解期とを交互に繰り返しながら進行する。活動期病変になるとグラム陰性嫌気性細菌が優勢となり、宿主免疫応答を経て歯周組織の破壊、アタッチメントロスをきたす(Goodson(グッドソン)ら1982、Schroeder(シュレーダー) 1983)。解説者コメント:プラーク中の細菌による歯周病の発症と進行過程を、病理組織学的、免疫学的に示した研究報告。確立期病変:歯肉炎の段階であればアタッチメントロスは生じておらず、ここで炎症を抑えることで元の正常な状態を回復できる。早期治療の大切さが示唆される。ABCD174

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