プロフェッショナルケア2
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図10-17 エアポリッシング。リカバリーケア後は、PMTCペーストは使用せず、エアポリッシング(弱圧)によるプロトリートメントへ手技を変更する。エリスリトールパウダー使用。図10-21 マウスピース矯正終了前(アタッチメント除去前)。初診時より11切縁付近には白濁病変が存在していたが、マウスピース矯正終了時には顕著になっていた。98図10-18 nano-HAP塗布。「リナメル」を塗布する。作用条件は、回転数:500〜750rpm、作用時間:1歯面につき20秒。図10-20 12ヵ月後。リカバリーケア終了後は、3ヵ月ごとのプロトリートメントとリテーナーを活用したセルフトリートメントにより高度な透明感を獲得して良好な状態が維持できている。セルフケア製品の処方は継続。図10-22 リカバリーケア開始から1年後。エナメルトリートメントの継続によって再石灰化効果も働き、白濁は目立たないレベルまで回復している。エナメル質全体に透明感が増していることがわかる。図10-19 コンタクトケア。「リナメル」塗布後にマイクロファイバーフロスにてコンタクトエリアにもnano-HAPをデリバリーする。マウスピース矯正終了前 ブラケットやアタッチメントの除去をともなう矯正歯科治療では、ディボンディングによる研磨傷と長期間の装着により脆弱化したエナメル質を回復させるリカバリーケアが必要である。とくにマウスピース矯正は、アライナーの装着時間が毎日15〜20時間と長く、唾液との接触が妨げられる可リカバリーケア開始1年後能性があるため、本症例においても、もともと存在した低石灰化部の白濁が顕著になった原因として考えられた。この点において、リカバリーケアにはアライナー使用中に不足しがちであったミネラルを補給する役目もあるといえるであろう。また、白濁の出現あるいは兆候を認めた場合には、動的矯正期間中からアライナーを利用して再石灰化目的のケアを検討する必要性も示唆された。リカバリーケア開始から1年後のエナメル質の表面性状は、初診時よりも透明感が増していることから、研磨傷が消失して滑沢性が向上し、光の乱反射が減少していることによるものと考えられる。(4)リカバリーケア後のエナメルトリートメント(ステージ2:安定期)(5)リカバリーケア開始から1年後の経過(6)切縁部白濁病変の再石灰化考察

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